2026.08.03 Mon.
野球選手の右膝痛 改善症例 宇都宮市 接骨院
検査で異常がなく、日曜日が近づくと悪化する
中学野球部員の右膝痛
本症例は、野球部に所属する中学生の右膝痛が改善した経過をまとめたものです。階段を降りている際に突然右膝に痛みが出現し、整形外科や大学病院で画像検査を受けましたが、明らかな異常は見つかりませんでした。理学療法によるリハビリテーションで症状は改善傾向を示したものの、痛みや違和感は残ったままでした。
特徴的だったのは、日曜日の練習が近づくにつれて右膝の痛みが強くなるという経過です。右膝痛の背景に隠れていた心理的な混線を丁寧に紐解いていくことで、症状の改善につながりました。
| 年齢 | 14歳 |
| 性別 | 女性 |
| 職業 | 中学生(野球部) |
| 患者の特徴 | 顔色を伺う、人に合わせて笑う |
| 発症時期 | 中学1年生11月頃 |
| 主訴 | 右膝内側の痛み。走ったり激しい練習をすると痛みが増す |
| 発症からの経緯 | 階段を降りている際に突然発症。整形外科・大学病院での画像検査は異常なし。理学療法でのリハビリで改善傾向にあったが、軽度の痛みと違和感が残存し、日曜日の練習が近づくと痛みが強くなる特徴があった |
セッションごとの記録
- 去年の11月頃、階段を降りていて急に右膝に痛みを感じた
- 整形外科でレントゲン・MRI検査を受けたが異常なし
- リハビリを続けても痛みが残るため、大学病院で再検査したが異常なし
- リハビリを繰り返し以前よりは痛みは引いてきたが、まだ残っている
- 走り込みや激しい運動で症状が強く出る/日曜日の練習が近づくと痛みが強くなる
- 練習についていけるか不安
- 先週の日曜日は練習試合であまり動いていない
- そこまで不安もなかった
- 今週・来週の日曜日は厳しいコーチが来るので不安
- 今日は違和感がある
- 痛みがだいぶ引いてきた! 10 → 3
- この前の日曜日の練習は久しぶりに全メニューに入れた
- 日曜日の練習への不安はまだある
- 日曜日の練習で痛くならなかった
- 今日は少し気になる
- 次の日曜日の練習試合の予期不安は4くらい(PRT一致)
- 右膝はいい感じ
- 激しく動いた後に違和感が出る
- 日曜日の練習への予期不安は2くらい(PRT一致)
- 左手を骨折(橈骨若木骨折)し固定中
- 走っても右膝は痛くない
- 不安もない
- 3年生最後の大会に間に合うかという不安は少しある
考察
本症例は、画像検査では器質的異常を認めない右膝痛であり、特に日曜日の練習が近づくにつれて症状が強くなるという特徴的な経過を示しました。初期の評価では、日曜日の練習や監督からの評価に対する予期不安が症状に関与していましたが、認知調整を進める中で、「監督に評価を下げられるかもしれない」「期待に応えなければならない」という思いだけでなく、家庭内で抱えていた「ちゃんとしていなければならない」「怒られないようにしなければならない」という認知や、「そんなに怒らないでほしい」という抑え込まれた本音が関係していることが見えてきました。家庭の中で感じていた理不尽さや不満を十分に表現できず、それらが野球という環境や監督からの評価への不安として表れていた可能性が考えられます。
患者は普段から周囲の顔色をうかがい、自分の気持ちより相手を優先する傾向がみられました。そのため、家庭で形成された「期待に応えなければならない」という認知が野球の場面にも無意識に反映され、「日曜日の練習」というきっかけが誤作動記憶を繰り返し活性化させていたと考えられます。
実際に、野球に関する認知だけでなく、家族との関係で抑え込んできた本音や感情に気づき、新たな捉え方を獲得するにつれて、日曜日の練習に対する予期不安が軽減し、それに伴って右膝痛も改善しました。この経過から、症状を引き起こしていたのは競技場面そのものではなく、その場面を通して活性化される誤作動記憶であった可能性が示唆されます。
器質的異常が認められない慢性症状では、痛みが現れる場面だけでなく、その背景にある対人関係や生活環境まで丁寧に評価することの重要性を改めて実感した症例でした。






