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2026.06.04 Thu.

投球イップス⚾️ 投球不安 宇都宮市 接骨院くら

この症例は接骨院くらで施術させて頂いた野球選手の症例です。

野球肘からの投球不安 — 「本音を飲み込む」抑圧パターンが封じた送球 | 接骨院くら
Clinical Notes Series / Sports

野球肘からの投球不安
— 「本音を飲み込む」抑圧パターンが封じた送球 —

14歳 男性(中学3年生)|12回通院|完治

スポーツ障害 投球不安 野球肘(内側上顆炎) 予期不安 本音の抑圧 投影(PCRT-PAモデル)

報告者:倉持 怜史|接骨院くら|PCRT歴 6年 / 臨床歴 14年目|報告期日 2026年5月31日

症例要約
治療期間
2025.9.22
〜2026.1.14
通院回数
12
1回の治療時間
30分以内
予期不安の変化
10/100
転帰
✓ 完治

整形外科で野球肘(右肘内側上顆炎)と診断され疼痛は改善したものの、送球への強い予期不安が残存しノースローの状態でPCRTを開始した中学3年生の男子野球選手。全12回の施術を通じて検出された反応言語の背景には一貫して「本音を飲み込む・言いたいことが言えない」という共通パターンが確認され、予期不安は10/10から0/10へ完全に解消。自信を持った送球が可能となった。

治療経過グラフ
症状の程度 予期不安 CGI-I(改善度)
治療経過:初回10/10から最終回0/10へ症状・予期不安ともに完全解消。
はじめに・患者情報
年齢・性別14歳・男性
職業学生(中学3年生)
競技野球
患者の特徴心配性・真面目・我慢しやすい
発症時期中学1年・夏以降
主訴また肘を痛めるのではないかとの不安が強く送球できない

野球の練習で徐々に右肘内側に痛みを感じ始め整形外科を受診。診断は野球肘(内側上顆炎)。徐々に症状は改善し痛みはなくなったものの、「また投げると痛くなるのではないか」という不安が大きく送球できなくなっていた。

治療経過(全12回)
01
2025年9月22日
初回
⚡ 転機①
症状の程度10/10
予期不安10/10
CGI-S7
  • 送球していない
  • 投げることが怖い

目安検査:送球イメージ/EB検査:送球イメージ(情報系)

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)自立心自分関係陰性化
忠誠心筋力アップするべき陰性化
初診時に、送球不安は送球に関係することだけではなく、患者の課題や他のことでの不安が投影して投球の不安となっていることを丁寧に説明した。初回の認知調整法で少しずつ送球できるようになった。
02
2025年9月26日
4日後
症状の程度6/10
予期不安3/10
CGI-I3
  • 近い距離を投げられるようになった
  • ソフトボールのボールはしっかり投げられた

目安検査:送球イメージ/EB検査:送球イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)犠牲心学校の担任の先生陰性化
犠牲心野球監督陰性化
担任の先生が自分だけを特別扱いしてくることが嬉しい反面みなと同じように接してほしい。野球の監督が自分に強い言い方で当たってくることに納得がいかない。その前提に「先生・監督はみな平等に接するべき」という解釈があることを自己認知して頂いた。
03
2025年9月29日
3日後
症状の程度5/10
予期不安1/10
CGI-I3
  • 前回よりも投げられるようになった
  • 不安もかなり少なくなった

目安検査:送球イメージ/EB検査:送球イメージ(情報系)

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)恐怖高校野球でレギュラーになれるのか?陰性化
高校野球での不安で頭がいっぱいになっている。「レギュラーになれるのか?練習についていけるのか?」——それも大切だが、そこへ向かう過程・姿勢がとても重要であることに気づいて頂いた様子。
04
2025年10月7日
8日後
症状の程度4/10
予期不安2/10
CGI-I2
  • 送球中に1度だけ右肘に違和感を感じた
  • 送球距離を塁間に伸ばす

目安検査:送球で違和感を感じた時のイメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球で違和感を感じた時のイメージ(情報系)虚栄心学校の友人陰性化
復讐心学校の勉強陰性化
友人・他者と自分を比較してしまう癖があることを自己認知。勉強では、自分の理想と現実にギャップがあることを自己認知して頂いた。
05
2025年10月14日
7日後
症状の程度4/10
予期不安2/10
CGI-I2
  • 塁間送球、大丈夫

目安検査:送球イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)犠牲心野球メンバー・監督コーチとの心の動き陰性化
監督・コーチに質問することが怖い心理が反応。背景には「質問することで出来の悪い選手と見られるのでは」という解釈があることを自己認知。「成長する選手はわからないことを質問できる選手、チャレンジする選手」——患者自身がその言葉を口にし、施術後に質問することへの不安が和らいだ様子であった。
06
2025年10月21日
7日後
症状の程度4/10
予期不安5/10
CGI-I2
  • 塁間送球は大丈夫・70%の力で送球できる
  • 送球できるが送球不安が強くある

目安検査:送球イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)虚栄心野球のチームメイト陰性化
チームメイトに上手な選手と見られたい心の動きで反応。「投げ方が変」と言われたことに不安を感じていた。「あなたのストロングポイントは?」の問いに「送球の肩の強さ、バッティング」と返答。短所にばかり目が向いていること、全国トップレベルの選手と自分を比較していることに気づかれた様子。
07
2025年10月28日
7日後
症状の程度3/10
予期不安2/10
CGI-I2
  • 塁間以上の距離も送球できた

目安検査:送球イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
送球イメージ(情報系)猜疑心高校野球でのポジション選択について陰性化
本音では高校でもピッチャーで活躍したい気持ちがあるが、コーチからは内野をやるよう言われている。本音が言いにくい・言えない・気軽に相談できないことが心の混線へつながっていることを自己認知して頂いた。
08
2025年11月5日
7日後
症状の程度3/10
予期不安2/10
CGI-I2
  • 遠投手前まで送球できる(右肘違和感あり)

目安検査:遠投イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
遠投イメージ(情報系)逃避学校の英語勉強陰性化
信仰心野球メンバー陰性化
09
2025年11月12日
7日後
⚡ 転機②
症状の程度2/10
予期不安2/10
CGI-I2
  • 送球の不安はかなり少ないが、暴投の不安がある

目安検査:暴投の不安イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
暴投の不安イメージ(情報系)犠牲心自分関係陰性化
「本音が言えない・我慢して飲み込む」心の動きが誤作動反応。あるチームメイトが質問した際に「前にも同じことを言ったよね」ときつく言われ関係が悪化した出来事を、患者が自分自身のこととして混同していることに気づかれた。客観的な視点へと変容し、この施術後、予期不安が0となり自信を持って送球できるようになった。
10
2025年11月26日
14日後
症状の程度1/10
予期不安0/10
CGI-I1
  • 遠投、大丈夫
  • 守備練習も大丈夫

目安検査:遠投イメージ

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
遠投イメージ(情報系)猜疑心学級委員長として陰性化
11
2025年12月10日
14日後
症状の程度0/10
予期不安0/10
CGI-I1
  • 遠投、大丈夫
  • 守備練習後に右肘違和感

目安検査:右肘最大屈曲

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
右肘内側上顆骨系自尊心父親と弟を見ていて感じる心の動き陰性化
父親と弟のやり取り・会話を聞いていて気分が悪い。「本音は仲良くしてほしい」——本音の自分を認識して頂いた。家族関係に起因する自尊心の誤作動が右肘の違和感と連動していた点が特筆される。
12
2026年1月14日
35日後
✓ 最終回・完治
症状の程度0/10
予期不安0/10
CGI-I1 著明改善
  • 練習、送球できている

目安検査:送球イメージ陰性・左膝関節圧迫

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
左膝軟骨系(脛骨面)送球イメージ陰性・左膝関節圧迫陰性化

調整法:アクティベータメソッド/PCRT意念調整法+脳リンク

考察

本症例は、野球肘(右肘内側上顆炎)による疼痛が軽減した後も送球への強い予期不安が残存し、ノースローの状態でPCRTを開始した中学3年生の男子野球選手である。全12回の施術を通じて予期不安は10/10から0/10へと完全に解消し、自信を持った送球が可能となった。

生体反応検査法により誤作動反応として検出された心理的テーマは多岐にわたったが、一貫して「本音を飲み込む」「言いたいことが言えない」という共通パターンが確認された。具体的には、監督・コーチへの犠牲心(自分にだけ強く当たられることへの不満、ポジション選択の本音を言えないこと)、チームメイトとの比較による虚栄心、高校野球への恐怖、学校・家庭場面での猜疑心・逃避など、野球以外の生活場面にも誤作動反応が及んでいた。

特筆すべきは、11回目において父親と弟のやり取りに関連する自尊心の誤作動が右肘の違和感と連動していた点である。「認められたい」「理不尽に怒られたくない」という家族関係に起因する感情パターンが、コーチへの恐怖や他者評価への過敏さとして野球場面に転移し、最終的に送球時の身体的緊張として出力されていたと考えられる。

本症例における送球への予期不安は、「投影(projection)」の観点からも理解できる。「認められたい」「本音を言えない」といった深層の心理的課題が直接意識化されることを回避するために、より具体的な不安対象である「送球の失敗への恐怖」へと投影されていたと解釈できる。保井先生が提唱するPCRT-PAモデル(Yasui, 2026)が示すように、こうした投影によって深層の誤作動記憶が表層の予期不安へと置き換えられ、身体症状のフィードバックループを通じてさらに維持・強化される。

スポーツにおける投球不安の背景には技術的・身体的要因のみならず、対人関係・家族関係・自己評価に関わる複合的な心理的誤作動が存在することが示唆された。PCRTはハード面(身体調整)とソフト面(情報系調整)を統合的に施術できる点において、このような複雑な症例に対しても有効なアプローチである可能性が示唆された。スポーツ選手のスポーツ障害・外傷に対して無意識の心理的課題・記憶にスポットライトを当てることで、怪我のスムーズな改善および繰り返す怪我予防につながることを多くの方に知っていただきたい。

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報告者:倉持 怜史|PCRT歴 6年 / 臨床歴 14年目|報告期日 2026年5月31日
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