2026.07.18 Sat.
無汗症の改善報告 宇都宮市 接骨院くら
中学1年生野球選手の発汗不全(無汗症)に対するPCRT認知調整法の臨床経過
副症状として生じた右肘送球時痛の推移とあわせて報告する
| 対象 | 中学1年生・男児(野球部/硬式野球クラブチーム所属) |
| 主症状 | 発汗不全(無汗症・練習中に汗をかかない) |
| 副症状 | 右肘送球時痛 |
| 施術法 | PCRT(心身条件反射療法)認知調整法 |
| 施術期間 | 令和8年3月14日〜5月1日(全7回) |
症例概要
| 年齢・性別 | 中学1年生・男児 |
| 競技 | 野球(硬式クラブチーム)/中学入学後は陸上部と兼部 |
| 主訴 | 2月頃より、寒さのためと思っていたが、比較的強度の高い運動をしても発汗が見られなくなった。 |
| 副症状 | 右肘の送球時痛(靱帯系)。初診時、送球強度70%程度までは支障なく投球可能という自己申告。 |
| 初診時所見 | CGI-S:7/症状程度(NRS):10/予期不安(NRS):4 |
| 経過 | 全7回の施術を通じ、発汗機能・肘痛ともに漸進的に改善し、7回目(初診より約7週後)に発汗の完全回復(症状程度0/予期不安0)を確認。 |
症状スケールの推移
CGI-Iは1〜7の改善度評価(1=著しく改善、4=変化なし、7=著しく悪化)で、初診時のみCGI-S(重症度、1〜7)を使用。
施術経過(全7回)
- 保護者より「2月頃から、比較的強度の高い運動をしても発汗が見られない」との主訴で受診。
- 副症状として右肘の送球時痛(靱帯系)を確認。送球強度70%程度までは支障なし。
- 認知調整の切り口として、チーム内でのリーダーとしての立場に伴う「警戒心」「連帯感」が検出された。
- 手汗はわずかに出るようになったとの申告あり。送球可動域は90%まで拡大。
- 副キャプテンという立場から生じる「チームの士気を高めなければ」という忠誠心と、その裏にある過去のチーム経験(厳しい指導者のもとでの記憶)との関連を確認。
- 役割意識の負担感を、経験の価値へと再構成する働きかけを実施。
- 所属クラブチーム初日と重なった時期。3月24日、友人と卓球をした際には発汗が確認された(運動場面以外での発汗機能自体は保たれていることを示唆)。
- 右肘の送球可動域は一時的に50%まで低下(新チームでの投球フォーム調整・環境変化の影響が推察される)。
- 「一番うまくなりたい」という向上心の背景にある、他者比較による不調のメカニズムを整理し、1年前の自分との比較という過程志向へ視点を転換。
- 公式戦が開始。先輩の試合を応援中、気温は高かったが発汗は見られなかった。
- 新チームでのポジション争い(二遊間)への不安、レギュラーに入れない場合の心理的ショックを言語化。
- 「出場機会がなくても得られるプラス(努力・継続力)」「補欠であることの社会的価値」というリフレーミングを実施し、症状程度は10→5まで改善。
- 前日の練習前から発汗が見られるようになったとの報告。4月9日の中学校入学式を控えた時期。
- 腰痛の訴えあり(立位での応援姿勢に関連)。睡眠時の寝言増加も申告。
- 学業面での自立心(「もっとやらなければ」という思い)についても検査・調整を実施。
- 「汗が出るようになった」との報告があり、症状程度・予期不安ともに1まで大幅改善。
- 右アキレス腱部・左腰〜脇腹にかけての張り(陸上部の練習を見学し、一緒に走ったことによる筋疲労)を認めたが、機能的な問題はなし。
- 中学入学に伴う「自立心」の変化と、校則・ルールへの適応(忠誠心)というテーマが並行して確認された。
- 発汗機能が完全に回復(「汗が戻った・完治」)。陸上部でのジョグ中も問題なく発汗を確認。
- 野球部との掛け持ちの目的(下半身強化)と、本音では野球練習を優先したい気持ちとの間の揺れを言語化・整理。
- 右肘の送球痛についても、この時点で臨床上問題となる訴えは確認されなかった。
考察
本症例は、寒さや自律神経系の器質的異常が疑われた発汗不全に対し、PCRT認知調整法による介入で症状程度10→0、予期不安4→0という経過をたどった一例である。7回の施術を通じて検出された認知的テーマは、「警戒心(監督・保護者との関係)」「連帯感」「忠誠心(チーム内での役割・ルールへの適応)」「自立心(成長・比較・両立)」と多岐にわたり、いずれも副キャプテンという役割、新チームへの移籍、中学入学という環境変化に伴う複合的な心理的負荷と関連していたと考えられる。
特に、3回目〜4回目にかけて実施した「他者比較から過程志向(1年前の自分との比較)への視点転換」および「レギュラーになれないことの社会的・人間的な価値へのリフレーミング」は、その後の症状程度の顕著な改善(7→5→3)と時期的に一致しており、認知的評価の変化が発汗機能の回復に関与した可能性が示唆される。
また、副症状であった右肘送球時痛についても、送球可動域が70%→90%→(環境変化に伴う一時的な50%への低下)という経過をたどりながら、最終的に臨床上の訴えが消失した。心理的負荷の軽減が身体機能面にも波及した可能性がある一方、投球フォームや練習環境の変化など身体的要因も並行して影響したと考えられ、今後の症例の蓄積による検証が望まれる。






