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2026.06.04 Thu.

投球イップス改善⚾️ 宇都宮市 接骨院くら

この症例は、接骨院くらで鶴見先生が施術させて頂いた投球イップスでお困りの高校生が改善した症例です。

投球イップス — 「スタメンへのこだわり」が縛った指の感覚 | 接骨院くら
Clinical Notes Series / Sports

投球イップス
— 「スタメンへのこだわり」が縛った指の感覚 —

15歳 男性(高校生)|4回通院|完治

スポーツ障害 投球イップス 指の感覚消失 予期不安 プライド・承認欲求 解釈の柔軟化

報告者:鶴見 茉由|接骨院くら|PCRT歴 4年 / 臨床歴 7年目|報告期日 2026年5月12日

症例要約
治療期間
2026.4.5
〜2026.5.10
通院回数
4
1回の治療時間
45分以内
予期不安の変化
9/101
転帰
✓ 完治

来院3週間前に発症した投球イップスで、近い距離での送球時に指の感覚がなくなるという症状。小学3年から野球を始め、小・中と一貫してキャプテン・スタメンを任されてきた選手。「スタメンで試合に出る」へのこだわりと、それに紐づく様々な解釈が誤作動の核となっていた。認知調整法により解釈に柔軟性が出て、わずか4回でスムーズに改善。

治療経過グラフ
症状の程度 予期不安 CGI-I(改善度)
治療経過:初回9/10から最終回1/10へ症状・予期不安ともに大幅改善。
はじめに・患者情報
年齢・性別15歳・男性
職業高校生
競技野球(キャッチャー)
患者の特徴素直・真面目に取り組む
発症時期来院3週間前(中学3年終わり頃)
主訴近い距離を投げる時に指の感覚がなくなる。遠い方は投げられる。

小学3年から野球を始め、小・中学校とキャプテンを任されスタメンもほぼ外れたことがない選手。気がついたら症状が出るようになり、暴投した後には症状が強く出てくる経緯があった。「スタメンで試合に出る」へのこだわりが強く、それに対して様々な解釈が関係していた。

治療経過(全4回)
01
2026年4月5日
初回
症状の程度9/10
予期不安9/10
CGI-S7
  • 近い距離を投げる時に指の感覚がなくなる
  • 遠い方は投げられる
  • 暴投してしまった後は必ず症状が強くなる

目安検査・EB検査:短い距離の投球イメージEB(情報系EB)+右手第2・3指骨系EB

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
短い距離の投球イメージEB(情報系)+右手第2・3指骨系EB 復讐心+虚栄心 野球・自分自身に対して:理想の先輩がいる(人間的にも技術的にも)。現在の自分10→6 陰性化
恐怖 野球:3年生がいなくなった時のレギュラー争い。スタメンになれなかった時の不安。「今までスタメン外れたことないし、キャプテンだったプライドが揺らぐ」 陰性化
小3から始めた野球で、小・中学校とずっとスタメン・キャプテンという立場を任され「私はできる選手」というプライドが強く関係していた。
02
2026年4月12日
7日後
症状の程度7/10
予期不安7/10
CGI-I3
  • 近い距離のイップスが出ない時もあった
  • キャッチボールOK
  • ピッチャーへの返球は症状が出る
  • 症状が軽い時は10→3、ひどい時は10→10

目安検査・EB検査:近い距離の返球イメージEB(情報系EB)+第2・3指骨系EB

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
近い距離の返球イメージEB(情報系)+第2・3指骨系EB 警戒心 同じポジションの選手:レギュラー争いで負けたくない・下に見られるのが嫌。レギュラー=上手い人。中学生の時の記憶が関係している 陰性化
忠誠心 キャッチャーから返球する時:テンポを良く、早く返球しないといけない 陰性化
犠牲心 部活の先生:1年生だけど夏の大会に出る責任。「先輩がいるのに試合に出てミスしたら申し訳ない。選ばれたからには見合った活躍をしないといけない」 陰性化
「テンポよく返球しないといけない」というルールを、自分の中学時代の成功体験から持ち込んでいた。「相手のペースはわからない。テンポはあまり考えなくていいと思う」と患者自身が自己認知
Q:1年生ながら試合に出ることで得られることは?
「先輩がいる中で出られるのはいい経験だし、今後に活かされる。不安もあるが得られることもある」
03
2026年4月26日
14日後
症状の程度2/10
予期不安2/10
CGI-I1
  • 症状の回数がだいぶ減った
  • 症状の程度 10→2
  • 不安なく投げられるようになってきた
  • キャッチャーからピッチャーへの返球がたまに出る

目安検査・EB検査:キャッチャーからピッチャーへの返球イメージ(情報系EB)+第2指中手骨骨系EB

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
キャッチャーからピッチャーへの返球イメージ(情報系)+第2指中手骨骨系EB 猜疑心 副顧問:投げ方の指導をもらう中で「自分の感覚で良いと思っても違うと言われる」→本当に?と分からなくなる 陰性化
逃避+警戒心 同じイップスの先輩:守備練習中に先輩が暴投する場面を目の前で見て「自分もなったらどうしよう」と不安になることがある 陰性化
貢献 野球:貢献度10→7。良いプレーが続けられるか・試合に出られなくなったらどうしようという不安 陰性化
「自分の感覚を信じると良い」と再認知。何度も施術中に出てきた「試合に出られなかったら」という解釈に対して質問。
Q:試合に出ないことで得られることがあるとしたら?
「悔しいからまた頑張る力が出る」「裏方のことを知れるから思いが強くなる、いい感じする」——別の解釈を認知
04
2026年5月10日
14日後
✓ 最終回・完治
症状の程度1/10
予期不安1/10
CGI-I1 著明改善
  • ほとんどイップスでない
  • 普通に練習できている
  • 不安もほとんどなし(10→1)
  • 昨日ブルペンで一回暴投したが、感覚は良かった

目安検査:昨日の暴投イメージは反応なし(イップスではない)/EB検査:予期不安イメージ(情報系EB)

身体系・情報系EB反応言語内容調整後
予期不安イメージ(情報系EB) 犠牲心 自分関係:本音は休みたい。練習と休息のバランスが崩れている感じ 陰性化
探究心 野球:バントが苦手でチームの戦術に取り入れていく中で、ミスするとチームに迷惑がかかってしまうという不安 陰性化
恐怖 野球:スタメンに選ばれるか不安 陰性化
「スタメンで試合に出る」へのこだわりが最後まで核として残っていた。
Q:①自分のパフォーマンスを出しているのに選ばれない vs ②出していないのに選ばれる。どちらがモヤっとする?
「②ですね(笑)」
Q:試合に出る・出ないは監督次第。何を意識すると良さそう?
「自分のパフォーマンスを出すことを意識します!」——コントロールできることへ意識が向いた。
考察

本症例は、近い距離やピッチャーへの返球時に「指の感覚がなくなる」という投球イップスが、わずか4回の調整でスムーズに改善した症例である。

この選手は「スタメンで試合に出る」というこだわりが強くあった。小・中学校を通じてキャプテンを任され、スタメンをほぼ外れたことがなかった。「私はできる選手」というプライドが背景にあり、「試合に出られなかったらどうしよう」という不安、「試合に出ないのはあり得ない」という思考で自分を縛り固めていた。

施術の中では様々な問いかけを行った。

「試合に出ないことで得られることがあるとしたら何ですか?」
→「悔しいからまた頑張る力が出る」「裏方のことを知れるから思いが強くなる」
「①自分のパフォーマンスを出しているのに選ばれない vs ②出していないのに選ばれる。どちらがモヤっとしますか?」
→「②ですね(笑)」——自分がコントロールできることへの気づき
「試合に出る・出ないは監督次第。何を意識すると良さそう?」
→「自分のパフォーマンスを出すことを意識します!」

様々な考え方があることを自己認知していく中で、解釈に柔軟性が出て症状はスムーズに改善した。この選手がとても素直に認知調整法に向き合ってくれたことも大きな要因であった。

スタメンへのこだわりがあるからこそ頑張れることや、それによって得られる良いこともある。一方で、その信念が自分を縛ることにもなる。物事を色々な視点・解釈で見ることの重要性をあらためて実感した症例であった。この症例が、同じように困っている方々の明るい未来に繋がることを願っている。

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報告者:鶴見 茉由|PCRT歴 4年 / 臨床歴 7年目|報告期日 2026年5月12日
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