2025.11.28 Fri.
変形性膝関節症に対するActivatorの効果 宇都宮市 接骨院くら

変形性膝関節症に対するActivatorの効果
https://www.nature.com/articles/s41598-020-70219-3.pdf
私が尊敬している保井先生のブログを共有させて頂きました。以下全文
― Nature(Scientific Reports)に掲載された重要研究から見える新しい可能性 ―
カイロプラクティックの世界では、臨床効果を科学的根拠に基づいて示すことが年々求められています。
特に Activator Methods の創始者である Dr. Fuhr は、1980年代後半から今日に至るまで、地道に科学的研究を積み重ねてきました。
その流れの中で、Activator(アクティベータ)による調整が変形性膝関節症(OA)の進行を抑える可能性を示した研究が、世界的に権威のある Nature グループの学術誌 Scientific Reports に掲載されました。
今回の研究は、スペイン国内の複数の研究機関による共同研究として実施されています。
責任著者は Arantxa Ortega-De Mues 研究者で、カイロプラクティック領域の国際的研究を牽引する存在でもあります。
また共同研究者には R. Fujikawa, M.D., D.C. が参加しており、Activator Methods のインストラクターとしても活躍しています。AMI(Activator Methods International)が主催する国際イベントでお会いした際にも非常に誠実で熱心な研究者であり、その姿勢が今回の高い研究クオリティにもつながっていると感じます。
こうした多分野の専門家が連携したことが、この研究の信頼性をさらに強固なものにしています。
■ なぜこの研究が注目されるのか?
今回の論文が掲載された Scientific Reports(Nature Publishing Group)は、
世界中の科学者が投稿し、専門家の厳格な査読を通過した研究のみが掲載される国際科学誌 です。
カイロプラクティック関連の研究が、このレベルのジャーナルに採択されることは決して多くありません。
つまり、
Activator の効果が、世界標準の科学的評価によって認められた
という事実そのものに、大きな価値があります。
■ 研究の概要:ウサギの変形性膝関節症モデル
研究チームは、ウサギの膝に人工的に OA を作り、次の2条件で8週間比較しました。
- 右脚:Activator V による本物の刺激(Force 2)
- 左脚:刺激の“ふり”だけを行う偽刺激
その後、「骨」「軟骨」「滑膜(関節包内側)」という
関節を構成する主要3要素すべて の変化を詳細に分析しました。
■ 主な結果(とても簡単に言うと…)
① 骨が強くなり、構造が整った
Activator刺激を加えた側では、
- 骨密度(BMD)が上昇
- 骨量(BMC)が増加
- 骨梁数の増加など、骨構造が改善
➡ 関節の土台が強化され、軟骨が守られやすい環境に。
② 軟骨のすり減りが少なかった
OAでは軟骨が薄くなり損傷しやすくなりますが、
➡ Activator側では軟骨の損傷が明らかに軽度でした。
③ 関節の炎症が大幅に低下した
滑膜を詳細に調べると、
- 炎症細胞(マクロファージ)が少ない
- 炎症物質(IL-1β、TNFα、COX-2)の発現が低下
- 不要な血管新生(腫れの原因)も抑制
➡ 関節内の“炎症の火種”が沈静化。
■ 研究チームの結論
Activatorによる 軽い機械的刺激 は、
- 関節の骨構造の改善
- 軟骨損傷の抑制
- 関節内炎症の低減
という 多面的な改善効果 を示し、
変形性膝関節症の進行を遅らせる可能性がある と結論づけています。
■ この研究が示すもの
今回の成果は、臨床家が「治療効果があった」と口頭で説明するレベルを超えています。
つまり、
Activator が“関節全体に総合的な良い影響を与える”ことが科学的に示された
という点に、非常に大きな意義があります。
さらに、Natureグループの査読を通過した信頼度の高い科学データであることは、
カイロプラクティックが「科学的エビデンスに基づく医療アプローチ」へ進む道を拓く重要な一歩 と言えます。
■ 最後に
もちろん、この研究は動物実験であり、効果がそのまま人間に当てはまるとは限りません。
しかし、
- 炎症
- 軟骨
- 骨
という 関節の主要3要素すべて に改善が見られたことは、
臨床家にとっても患者さんにとっても、Activator治療への信頼を大きく高める結果となります。
今後、より多くの臨床研究が進むことで、Activatorの科学的価値はさらに明確になり、
関節疾患に対する新たなアプローチの可能性が大きく広がるでしょう。
引用文献の論文はこちらからです。






